仕事ができる人には共通した考え方があるように思います。仕事は段取りで決まるといいますが、仕事に取り掛かる前に「仕事のポイント」をとらえる力が優れているのです。仕事を早く終わらせるには、誰よりも早く取り掛かれば良いというものではありません。行き当たりばったりで仕事を進めても、手順が違えば最初からやり直しになるのでかえって時間がかかります。「段取り」とは、結果を想定して手順を考えているということです。例えば、介護現場でベッドから車椅子に移動させる場合でも手順があります。何のために車椅子に移動させなければならないのか、次の工程を予想できる人であれば、車椅子の向きまでを考えて設置するでしょう。また、寝ている人を起こして、車椅子に移動させるまでの動作行程を瞬時にシュミレーションできることも大切です。されに、その時の状況を観察し、いつもと違うところがあれば修正もしなければなりません。仕事ができる人は、これらを観察し段取りを組み立てて実施しているのです。もう一つ言えることは、与えられている仕事が好きであることです。同じ仕事をするにも嫌々ながら行うのと、好きで積極的に行うのでは、仕事の出来栄えは大きく違ってきます。特に、介護の仕事は人と人とのふれあいになるので、嫌々ながらやっていたのでは相手もすぐに気持ちを察知して、動作に協力的になりません。その結果介護支援者に大きな負担を負わせるという悪循環になってしまうのです。